シャドーイングのやり方(お手本)


 私が英語または通訳の指導をしている生徒さんのほぼ全員に勧めている英語の自主練習法のひとつが、シャドーイングです。シャドーイングとは「かえるの歌」の輪唱のように、音源を聞きながら1~2語遅れて同じ内容を声に出して繰り返して追いかけて行く、「聞きながら話す」練習法です。元々は同時通訳の訓練のひとつとして使われていたもので、現在では通訳訓練だけでなく一般的な英語学習にも広く取り入れられています。

 

 シャドーイングは聞くだけでなく同時に自分の声も出す練習なので、当然自分の声が音源を聞く時の邪魔になります。その邪魔があるために、聞き取りにとても集中力を使います。短時間でも聞き取りに最大限集中するため、聞き取りの精度向上につながります。またお手本となる英語を流しながら話すため、英語の発音やリズムを意識したスピーキングの練習にも最適です。とても集中力が必要な作業なので、1日1回10分程度を目安にやることをおすすめします。

 

 シャドーイングの教材は英語初級者には市販の初心者向けのシャドーイング教材や、中学の英語の教科書の読み上げCDなどがおすすめです。中級者から上級者は自分の英語レベルに合うと感じる英語のスピーチをYouTubeで探すと良いでしょう。話す人がコロコロと変わるとシャドーイングはやりづらいので、1人の人が長く話すスピーチがおすすめです。

 

 シャドーイングについてはいつもこんな風に説明するのですが、「言葉で説明されても分からない」「お手本を聞かせてほしい」という反応が多く、YouTubeでお手本としておすすめできる動画を探してみたのですがどれもしっくりこなかったため、自分で作ることにしました。

 

 完成したシャドーイングのお手本動画がこちらです。元の音源には私の英語のお手本であるヒラリー・クリントン元米国務長官のスピーチを抜粋したものを使いました。ヒラリー・クリントン氏は通訳訓練時代から今に至るまで、私がシャドーイングで一番お世話になっている方です。

 

 

 聞いてみて「無理!!」と思った人。簡単にあきらめないでください。私も慣れるまでは苦労しました。

 

 私が初めてシャドーイングをやったのはサイマルアカデミーの通訳コースに入ってからです。最初のクラスだった準備科の授業の初日に、「シャドーイング教材の録音をするのでテープを入れてください」と指示され、言われるままにテープを入れ、「録音ついでにやってみましょう」とお手本を聞かされることも細かい説明を受けることもなく、突然始まりました。お察しの通り、最初は全然できませんでした。

 

 その後毎日英語を10分間、日本語を5分間と決めてシャドーイングを続けましたが、最初のうちは音量調節に苦労しました。聞きながら話すので、聞く音が大きければ自分の声が聞こえなくなり、自分の声を大きくすると聞く音が聞こえなくなり、調節しているうちにどちらもどんどん大きくなってしまい、最終的には大声でシャドーイングをするはめになり、15分やり終えると声が枯れている...なんて笑えない状態がしばらく続きました。

 

 しかし毎日やり続けた結果、いつの間にか耳に負担のかからない音で聞きながら、元の音源を聞くのに支障のない音量で話せるようになり、声を枯らすこともなくスムーズにシャドーイングができるようになりました。何事も、「継続は力なり」です。

 

このページの内容はブログ記事同時通訳者Erikaが実演「シャドーイングのやり方(お手本)」を元に作成しました。