選挙前に観るべき一本 Swing Vote

 こんにちは、東京在住英語同時通訳者の山下恵理香です。Skypeでオンライン英語指導オンライン通訳訓練講座も提供しています。 

 

 今回は【私が通訳者になるまで19】の掲載を予定していましたが、選挙が近いと言うことで急遽ある映画を取り上げることにしました。そんなわけで、今回はいつもより2日早い更新です。

 

 その映画の名前は、“Swing Vote”日本語で「浮動票」という意味です。そのまま訳して「浮動票」ではイメージが固く、原題は英単語として認知度が低かったためか、邦題は「チョイス」となり、アメリカでの公開の数年後日本でもDVD化されました。

 

 選挙権を持つ大人に、ぜひ一度は観て欲しい映画です。

 

 私が初めてこの映画の存在を知ったのは、この映画がアメリカで公開される直前、アメリカで流されていた宣伝映像を日本の深夜番組で見た時でした。その馬鹿らしくも胸躍る設定に衝撃を受け、日本での公開を心待ちにしていましたがついに劇場上映はされず。日本でDVDが販売されるかどうかも分からずに悶々としていた頃に、海外の動画配信サイトで観ることができ、人生最大の衝撃を受けました。

 

 最高の映画に出会ったと震え、涙しました。以来、“Swing Vote”は私の人生の一本です。

 

 

 この映画は、アメリカ大統領選挙をテーマにしたコメディです。

 

 メインキャラクターはトレイラーハウスに住む飲んだくれの父(ケビン・コスナー)と、その父の世話を焼くしっかり者の小学生の娘モリー。「選挙で投票なんかしたって貧乏は変わらない」と言うグダグダの父に対し、自分たちの一票には力があると信じるモリー。モリーは父の名前で有権者登録をし、投票日当日は自分と一緒に投票に行くことを父に約束させます。しかしうっかり飲みすぎて寝てしまい、約束を守れなかった父。約束の時間に現れない父に幻滅したモリーは、父の投票券を手にひとり投票所に入って行きます。

 

 受付係りは居眠り中。他に見ている大人はいません。こっそり名簿に父のサインをし、スルリと投票コーナーへ。投票券を機械に入れて候補者氏名を押そうとしたその時、掃除係りがコードに引っかかり電源が落ちてしまいます。モリーはすぐにそこから逃げ出しますが、この一票が正確にカウントされなかったことが後々大問題に。モリーの父バドの一票が次期大統領を決めるという異常事態へと発展して行きます。

 

 初めてこの映画を観た時は、涙が止まりませんでした。極端であり得ない設定ではありますが、可能性がゼロではない話。一人の一票が確かに何かを動かす力を持っていると、実感させてくれる話です。自分たちの手で国のリーダーを選ぶことのできるアメリカに憧れもしました。

 

 ただこの映画はコメディタッチでありながら、痛烈な政治批判の映画でもあります。バドの一票を得るために、民主・共和両陣営は、自分たちの柱とも言える政策をことごとく翻します。民主党候補は移民排斥、中絶反対を訴え、共和党候補は自然保護、同性婚賛成を訴えます。(アメリカでは民主党がリベラル=移民受け入れ推奨、中絶選択権保護、自然保護、同性婚賛成。共和党がその逆。)その一票を得るために政治家がどこまでやるか、そこも見どころのひとつです。

 

 アメリカと日本とでは選挙制度が大きく異なりますから、これをそのまま日本のこととして観ることは確かに難しいと思います。しかしながらこの映画は、一人の持つ一票の重さと大きさを考えさせてくれる映画です。そして政治家の言うことを鵜呑みにしてはいけないこと、知らないことは学び自分の頭で考えて答えを出すことの大切さを教えてくれます。

 

 私はこれまでも選挙と名の付くものには必ずなんとなくでも投票して来ましたが、この映画は私の選挙観を大きく変えました。日々のニュースや討論番組を様々な角度で聞いて考えるようになりました。選挙前の主張は人気取りに動きやすいため、そうでない時の主張を聞くことも大切です。その一方で選挙前の配布物にはきちんと目を通し、政見放送も聞くようになりました。普段から自分が疑問に感じていること、こうして欲しいと思うことを共有している候補者を見つけるため、または自分の信条と合わない候補を見極めるためです。

 

 私はこの記事を読む方に自分の政治観を押し付けるつもりはありません。ですからそういった主張はあえて書きません。ここで主張したいことはただひとつ。

 

 選挙の前に“Swing Vote”を観てください。

 

 それから最後にこれだけは書いておきます。

 

 投票の権利と義務を放棄する人に、政治を批判する権利はありません。

 

 これは私の信条でもありますが、二十歳になった時に両親に言われたことでもあります。まったくその通りだと思ったので、これは今でも私の選挙観の柱です。

 

 私が誰かから教わった選挙知識はこれだけ。あとは自分で見て、聞いて、学んで、考えました。有権者年齢がたった2才引き下げられただけで色々教えてもらえる今の若者は幸せです。でもそれがすべてではありません。

 

 やはり大切なのは、自分で学び考えること。そのひとつのきっかけとなってくれるのがこの映画、“Swing Vote”だと私は思っています。

 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:東京

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り

楽しみ:正月の箱根駅伝、2か月に1度の大相撲観戦(テレビ)、年に数回の柔道国際・国内大会テレビ観戦、年に数回のブロードウェイミュージカル日本公演、不定期の札幌旅行