アメリカ同時多発テロ911の年の記憶

 この記事には英語版「"911" I was an exchange student living in Houston on that September day」があります。

 

 こんにちは、東京在住英語同時通訳者の山下恵理香です。Skypeでオンライン英語指導オンライン通訳訓練講座も提供しています。

 

 明日9月11日は、アメリカ同時多発テロのあった日です。2001年の9月11日、当時16歳だった私は交換留学生としてテキサス州ヒューストンの高校に通っていました。朝8時過ぎ、2限目のダンスの授業中のことでした。突然校内放送が流れ、全クラス授業を止めてテレビをつけるようにと指示が出されました。英語がまだよくわからない中、テレビを見ても何が起こっているのか把握できず、先生に説明を求めてあきれ顔をされたことが印象に残っています。先生もあきれ顔を隠す余裕もないほどに動揺していました。

 

 この事件後、私も日本の家族もホストファミリーも動揺し恐怖を覚えましたが、その動揺は割と早い段階で収まり、日常生活にそれほど影響を与えることはありませんでした。ホストファミリーの中ではその話題に触れること自体あまりありませんでした。今思えば私を恐がらせないように気を使ってくれていたのかなとも思います。

 

 日常生活ではほぼテロ事件が話題に上ることはなかったものの、あの一件後から帰国までの数か月間、毎日のようにカーラジオで耳にした曲が何曲かありました。911がきっかけでよくかかるようになった曲です。テキサスと言う土地柄、ローカル局で流れるものはカントリーが多かったので、全国的なヒットだったかどうかは微妙ですが、あの年だったからこそヒットした曲であり、私にとっては高校留学のあの1年間を思い出させてくれる特別な曲です。今回はそんな911関連の曲をご紹介します。

 

 

 1曲目はDiamond Rioというグループの「One more day」という曲。実はこの曲、この年のずっと前に発売された曲でしたが、あまり売れていなかったそうです。しかしテロ事件があり、大切な人を失った人や日常というものの脆さを痛感した人の心情にピッタリな歌詞に人々が共感し、この年に突如有名になった曲です。

 

<歌詞和訳>

 

昨夜おかしな夢を見た

僕の願いだけ1つ何でも叶うんだ

金もマリブの豪邸も望まなかった

ただ願ったのは君と一緒にもう1日過ごすこと

 

もう1日 もう1度

もう1度日没を迎えたら僕は満足するかもしれない

でもそうしたらどうなるかは分かってる

また君ともう1日過ごしたいと願ってしまうんだ

 

まず初めに時間がゆっくり進むことを祈ろう

そして電話線を抜いてテレビを消したままにする

毎秒君を抱きしめて100万回「愛してる」と言おう

君ともう1日過ごせたら僕はそうする

 

もう1日 もう1度

もう1度日没を迎えたら僕は満足するかもしれない

でもそうしたらどうなるかは分かってる

また君ともう1日過ごしたいと願ってしまうんだ

 

 

 2曲目は、カントリー界のスターでありホストマザーが大ファンだった、Alan Jackson氏の「Where were you (when the world stopped turning)」です。この曲は「One more day」とは異なり、911後に作曲&発表された追悼曲です。このテロ事件を「世界が動きを止めた時」と表現するあたり、さすがアメリカと言うか、いかにも古い保守派の人間という感じがします。1年弱という時間を共に過ごしたホストマザーの根底に流れるものと同じ感覚です。そんな部分も含め、高校留学時代の私の想い出の曲です。

 

<歌詞和訳>

 

世界が動きを止めたあの9月の日君はどこにいた

妻と子供達と一緒に庭にいたか

それともLAのステージに立っていたか

あの青空に立ち上る黒煙の光景に衝撃を受け立ち尽くしたか

隣人への恐怖と怒りで叫んだか

それともただ座って泣いたのか

 

愛する人を亡くした子供達のために泣き

誰かの帰りを待つ子供達のために祈ったのか

がれきの中から出てきた人達のために喜び

中に残された人達のためにむせび泣いたのか

赤白青の旗とすべきことをして死んだ英雄達への誇りが溢れたか

何らかの答えを求めて天を仰ぎ

自分を見て本当に大切なものを見つめたか

 

僕はただシンプルな歌の歌い手で政治にはあまり関心がない

CNNを見てもイラクとイランの違いが分かるかどうかも自信がない

でもキリストは知っていて神様とは話をする

僕はこれを若い頃から忘れたことはない

信念、希望、愛は彼が与えてくれる素晴らしいもの

そして最高のものは愛

 

世界が動きを止めたあの9月の日君はどこにいた

無垢な子供達に授業をしている最中だったか

冷たい高速道路を走っていたか

生き残ったことに罪悪感を持ち

混み合う部屋の中で孤独を感じたか

母親に電話して愛してると伝えたか

家の聖書のほこりを払ったか

 

目を開けてあれが起こっていなければと願ったか

目を閉じて眠れずにいたか

何年かぶりに日没に気づいたか

道で見知らぬ人に声をかけたか

夜横になって明日銃を買いに行こうと考えたか

見ていた暴力的な映画を消しI Love Lucyの再放送をつけたか

 

教会へ行き見知らぬ人達と手を握り合ったか

列に並び献血をしたか

ただ家に留まり家族と寄り添い

愛する人がいることを神に感謝したか

 

※くりかえし

 

 

 

 先述の通りこの2曲はどちらもジャンルとしてはカントリーで、地域を選ぶヒットだったと思います。全国的に考えると恐らくこの年にこの曲よりもずっとよく聴かれていたのは、ジャンルを超えた複数のアーティストが集まってカバー収録した、「What’s Going On」だったのではないかと思います。うちの主人が「私の神様」と呼ぶ、Marvin Gaye氏の名曲です。元はベトナム戦争の反戦歌ですが、歌詞の内容はこの年の出来事にも当てはめることができ、それがアーティストや一般の人々の支持を集めたのでしょう。

 

 最後の動画はMarvin Gaye版のWhat’s Going Onです。とても有名な曲なので歌詞の和訳はネット上にたくさんあります。興味のある方は探してみてください。

 

 

 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:東京

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り

楽しみ:正月の箱根駅伝、2か月に1度の大相撲観戦(テレビ)、年に数回の柔道国際・国内大会テレビ観戦、年に数回のブロードウェイミュージカル日本公演、不定期の札幌旅行