コミュニケーション後進国日本【言動編】

 こんにちは、東京在住英語同時通訳者の山下恵理香です。Skypeでオンライン英語指導オンライン通訳訓練講座も提供しています。 

 

 今回はコミュニケーション後進国日本の問題点を取り上げる、【ここがダメだよ日本人】の第3弾。【笑い方編】【会話中編】に続き、今回は【言動編】です。国際的なビジネスシーンまたはパーティーやレセプション等のフォーマルシーンで「ここは気を付けたい」という問題点を挙げ、その解決策を考えます。

 

 それではまとめてダメ出しからいきます。

 

  • 常に受け身な姿勢はNG!
  • 何を話して良いか分からないからと言って声をかけられないように周囲と目を合わせないのはNG!
  • 多くの人が集まる会合やパーティー等で隣の席になった人に声をかけないのは失礼!

  

 もう何度となく同じような経験をし、その度についてきた溜息は数知れず。こんな時にはただじっと時間が経つのを待つだけで、喉元を過ぎた途端に熱さも恥ずかしさもすっかり忘れてしまう人がまあ多いこと!この原因が単に「英語ができないから」ならばまだ救いはあるのですが、通訳者を隣に置きながらもこうなってしまう人が多いのが実情です。つまり問題は言語能力ではなく、その人のコミュニケーション能力と姿勢にあります。

 

 「だって苦手なんだよ」と言い訳をするのはいい加減にして、そういう場に出なければならない立場にあるのなら今後どうしたら良いのかを考えましょう。

 

 「英語力=英会話力ではない」の記事にも書いた通り、日本語は空気を読む言語であるのに対し、英語は積極的に主張する言語です。そのため日本語を母語とする日本人はどうしても、積極的なコミュニケーションが苦手になりがちです。子供のころから空気を読むことを求められて育つ日本人にとって、それは仕方のないことです。

 

 しかし英語が公用語である国際的な場に出るのであれば、「仕方のないこと」などと言ってはいられません。言葉は文化です。つまり英語を公用語とする国際的な場では、英語の文化やルールがその場のルールです。実際そのような場では、会場のあちらこちらで様々な国籍の人たちが積極的にあいさつや会話を笑顔で交わしています。そしてそのようなやり取りに入って行けずに所在なく仏頂面でポツンとしている日本人や、国際交流盛んな場で日本人だけで固まっている姿も、実に多く目にします。またポツンとしているのを気にかけて話しかけてきてくれる人がいても、会話が続かず相手が去ってしまうという状況も珍しくありません。

 

 このような状況を打破するためには、まず英語の文化とルールを受け入れ実践することが大切です。まずは受け身の姿勢を改め、自分から積極的に周囲に声をかける努力をすること。そして社交の場では、無理にでも笑顔を作ることです。「アメリカ人は鏡の前で笑顔の練習をする」という話もあるほどです。笑顔はコミュニケーションにおいてとても重要な要素です。1人でいるからと言って社交の場で仏頂面はいけません。柔らかい表情を作り、周囲が話しかけやすい雰囲気を演出することも大切な姿勢です。

 

 せめて会合やパーティーで左右に座った相手とは進んで視線を合わせ、あいさつと自己紹介を交わしましょう。「何を話していいか分からない」のなら、話せるネタを常に頭にいれて持ち歩くことです。誰とでも会話の糸口になりそうな話題、例えばその日の天気でも良いですし、その集まりに関する話題でも良いです。その場でパッと話題が思い浮かばないのなら、前もって出せる話題を用意し、実際に口に出して練習してからその場に行くことが大切です。

 

 また、会話を続ける努力も重要です。相手の話に対して「へえ、そうですか」という反応だけでは、相手は自分の話に興味を持たれていないと感じてしまいますし、話をしたくないのだと思われてしまいます。相手が話題を振ってくれたのなら、最低限それに対して感想を言うのが礼儀ですし、自分の経験と結び付けて話を膨らませたり、その話について質問をして会話を繋げましょう。日本語は「空気を読む言語」なのですから、どうやったらその話を繋げて行けるか、どうやったら相手が自分との会話を楽しいと感じてくれるか、それを読み取って行動することこそ、私達日本人が得意とする分野なはずです。ただし、会話の内容については英語の論理を意識することも忘れてはいけません。

 

 そしてもう一つ、心に留めておいて欲しいことがあります。それは、上に挙げた3つのような態度を取るということは、その人自身だけでなく、同席している通訳者にも恥をかかせることになるということです。まあ、「お金払ってるんだからいいでしょ」と言われてしまえばそれまでなのですが。ここに書いたことは、私が実際に何度も経験してきたことです。そしてその度に、顔が上げられなくなるほどの恥ずかしさと居心地の悪さをぐっと我慢してきました。通訳者はクライアントの行動や発言なしには仕事ができません。クライアントが隣の人に声をかけないのなら、通訳者が声をかけることは原則的にできません。私が相手から声をかけられてしまい、「私はただの通訳者です」と一言断った上でクライアントと繋ぐ、というケースも少なくはありませんでしたが、やはり会話自体が長続きしないケースが大半でした。

 

 英語力は、通訳者がカバーします。それは通訳者の仕事ですから100%頼りにしていただいて構いません。しかし会話の内容を作り出すコミュニケーション能力そのものは、通訳者を使うクライアント自身で何とかしてもらう他ないのです。

 

 最後にもう1点、最近特に気になることを指摘しておきます。それは、「何かを指さす時に中指を使う」という行為です。単純に一番長い指で使いやすいからなのかもしれませんが、これは絶対NG行為です。人に向って中指を立てることの意味とそれがどれほどのタブーであるかは、ここで説明せずともお分かりいただけると思います。例え何かを指して説明するためであったとしても、それを中指でされることに不快感を抱く人は少なくありません。英語圏にも特に気にしないという人もいるようですが、少数派です。

 

 この「中指で指す」行為は、元々は日本人の男性に多い印象でした。しかしスマホの普及により、年齢性別を問わず一気に増えたと感じています。日々の何気ない習慣は無意識に出てしまうものです。スマホを使ったり何かを指さす際には、人差し指(英語ではpointing finger「さす指」)を使うように日頃から意識しましょう。重要な場面での失敗を予防をすることができるはずです。

 

 以上、【ここがダメだよ日本人・言動編】でした。

 

 

 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:東京

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り

楽しみ:正月の箱根駅伝、2か月に1度の大相撲観戦(テレビ)、年に数回の柔道国際・国内大会テレビ観戦、年に数回のブロードウェイミュージカル日本公演、不定期の札幌旅行