ついに日本上陸?謎の新イベント「ブラックフライデー」とは

 こんにちは、東京在住英語同時通訳者の山下恵理香です。Skypeでオンライン英語指導オンライン通訳訓練講座も提供しています。 

 

 先週ニュースである単語を聞いてずっこけそうになりました。

 

 「日本版ブラック・フライデー」

 

 実は先日主人に、「ハロウィンも定着したし日本は今度はBlack Fridayとかやりそうだよね。Thanksgiving(サンクスギビング・感謝祭)無いのにそれだけやったら笑うけど(笑)」と話したばかりでした。

 

 まさかドンピシャで今年から、それも本当にブラック・フライデーだけをやるなんて思わず、呆れたと言うか自分の勘の良さに感動したと言うか(笑)まあそれだけ日本国内の消費が落ち込んでいると言うことなのでしょうけれど。それにしても相変わらず、日本はアメリカの真似が好きですね。

 

 突っ込みどころ満載な上に突然ブラック・フライデーとか言われても意味わかんないと言う人のため、今回はアメリカのThanksgivingとBlack Fridayについてお話ししたいと思います。

 

 アメリカでは11月の第4木曜日がThanksgiving Dayすなわち感謝祭となっています。この日は祝日扱いで、学校も仕事もお休み。その流れで大抵翌日の金曜日もお休みとなり、多くの人にとっては4連休の週末となります。

 

 Thanksgivingの起源は、現在のアメリカ合衆国を建国した移民の人々がアメリカ大陸に渡って来たばかりの時代。最初の冬に寒さと飢えで多くの死者が出て、困っていた彼らを原住民(ネイティブ・アメリカン、インディアン)の人々が助けてくれました。狩猟の仕方を教え、畑を耕し、彼らがそこで生きて行くのに必要な知恵を貸してくれました。そして秋の収穫の時期を迎え、移民の人々は原住民の人々を招いて感謝祭を開きました。これがアメリカのThanksgivingの始まりです。

 

 私は田舎の家庭のThanksgivingしか知りませんが、アメリカのThanksgivingは基本的に家族が集まってご馳走を食べてワイワイする日。日本のお盆やお正月のような感覚です。

 

 ターキーやスタッフィング、クランベリーソースやパンプキンパイ等、伝統的なThanksgiving料理がテーブルに所せましと並び、みんなで食事をする前にはその家族の年長者がThanksgivingの起源について語って聞かせます。

 

 「色々あったけど、私達の祖先と原住民がこんなに仲良しだった頃があったんだよ」と穏やかな顔で語られる度に、何度も突っ込みそうになったことがあります。

 

 せっかくなのでここで言わせてください。

 

 「でもその大恩を仇で返して土地と財産と命を奪って原住民の生活をめちゃくちゃにしたのってその‟祖先”だよね?全然美談じゃないよね?」

 

 なんて言ったら場の空気が凍り付くのは目に見えるのであえて何も言ったことはありませんが。

 

 ちなみに知り合いのアメリカ人女性(白人種とハワイ原住民のハーフ)は、以前Thanksgivingについてこう話していました。「Thanksgivingってさ、‟助けてくれてありがとう、でも殺してごめんね”の日だと思ってる。」アメリカ人にもこういう人はいるようです。

 

 さてこの11月第4木曜日のThanksgivingには家族団らん以外にももうひとつ、日本のお正月と似ている点があります。それはこの日は街のお店の多くがお休みになること。まあ今はもう時代が時代ですし日本でもお正月にコンビニやスーパーが開いているのは普通ですが、基本的にはお休みのお店が多い日です。この祝日自体家族そろって家の中で過ごすというものですから、当然と言えば当然です。

 

 そしてこの翌日の金曜日こそ、‟Black Friday”と呼ばれる年に一度の特別な金曜日なのです。

 

 アメリカでは10月末のハロウィン→11月のThanksgiving→12月のクリスマスという風に、世間のイベントムードが移って行きます。Thanksgivingの翌日の金曜日とはそこから約一ヶ月間続くクリスマス商戦の初日であり、前日多くの店が休業することで再スタートムードが高まる日でもあり、また家族が揃っている連休中と言うことで多くの買い物客が街に出る日でもあります。

 

 その結果お店の売り上げが爆発的に伸びて「黒字になる金曜日」と言うことで、‟Black Friday”と呼ばれています。

 

 つまりアメリカのBlack Fridayは前日のThanksgivingから始まる連休ありきのセールであり、アメリカの歴史と文化に基づく習慣であり、これをブラック・フライデーの部分だけ日本でやると言うことは、大晦日も元旦も関係ない時期に初売りをやるくらい不自然で違和感だらけなことなのです。

 

 日本人は「ゲイシャガール」「サムライ」「ニンジャ」と変な風に日本をとらえている外国人を笑いますが、日本人だって笑われて当然なくらい変なことをしています。子供ではなく大人の仮装パーティーと化してしまった日本のハロウィンも然りです。

 

 まあそれを言ったらクリスマスもバレンタインデーもどうなのって話なのですが、個人的には近年高確率で警察出動の騒ぎになるハロウィンに比べれば可愛いものだと思いますし、その経済効果は無視できないレベルにまで大きくなっているのでこれはこれで良いんじゃないかと。

 

 同じく日本版ブラック・フライデーも経済的な視点から見れば、何でも良いからセールの口実を作って客を呼びたいというお店側の気持ちはわかりますし、家計を預かる主婦としては安く良いものが買えるならなんでもいいやという気にもなります。

 

 心情的には抵抗感と違和感が残りますが、お財布的には今後に期待したいと思う日本版ブラック・フライデー元年でした。

 

 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:東京

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り

楽しみ:正月の箱根駅伝、2か月に1度の大相撲観戦(テレビ)、年に数回の柔道国際・国内大会テレビ観戦、年に数回のブロードウェイミュージカル日本公演、不定期の札幌旅行