【通訳のお仕事】通訳者を困らせるお客様

 こんにちは、東京在住英語同時通訳者の山下恵理香です。Skypeでオンライン英語指導オンライン通訳訓練講座も提供しています。 

 

 通訳の仕事をしている中で、私には明確に「こういうお客様は困る!」というタイプがあります。 それは難しい言葉を使う方でも、要点が見えづらい話し方の方でも、 通訳の力量を試そうとする意地悪な方でもありません。 

 

 ちなみにこういうお客様は割と多く、そのため通訳学校での通訳訓練もそれに対応していたり、先生方が体験談からその対処法を伝授してくださったりしたので、実際それほど対応に困りません。 

 

 さてそんな用意周到な通訳訓練でも対処法を教えて貰えず、出くわすと毎回対処に困るお客様。今回はそんな「通訳者を困らせるお客様」についてお話しします。

 

 「通訳者を困らせるお客様」

 

 それは、 ある程度英語ができて、 「英語できるから通訳いらないよ」と豪語しながら、 途中で分からなくなると「分からない部分だけ」通訳に頼ろうとするお客様です。 

 

 これの何が問題なのか?

 

 お客様がどこまで理解できていてどこが分からないかなんて、 通訳者には分からないということです。相手の話を英語で聞いていて突然、「さっきのとこ、何て?」と聞かれましても、その「さっきのとこ」がどこなのかなんてまずわかりません。通訳者に他人の頭の中をのぞく超能力は備わっていませんので(笑) 

 

 こういうタイプの方は、 自分が英語ができるところを誇示したいという方が多いのですが、 プロの通訳者を使う席では相手方にも通訳にも迷惑以外の何ものでもありません。 相手(英語オンリーのお客様)は、自分の言った事が日本側の相手に伝わりきらずにイライラ。 通訳も仕事を邪魔されてイライラ。 良いこと無しなのです。 

 

 通訳を使い慣れているお客様は、 英語が分かっていてもあえて日本語を使い、 全ての通訳を通訳者に任せてくださります。その上で途中通訳者に使って欲しい表現や単語がある場合は、 それを訳す前に通訳者に指示してくださります。プレッシャーをかけずに通訳者が仕事をしやすい環境を 作ってくださります。

 

 因みにお客様が中途半端に英語を使って業務が著しく滞る場合私は、(イライラや心中の悪態は満面の営業スマイルで隠し、) 「訳は通訳にお任せいただけますか。ここからはどうぞ日本語でお願いします。」 とお伝えします。

 

 それでも頑固に英語を使おうとするお客様の場合は...臨機応変に対応していますとだけ書いておきます(笑)

 

 このタイプ以外に私が困るお客様は、通訳中に仲間内で話し始めてしまうお客様です。

 

 例えば日本語を英語に訳している時に、私の訳を聞くでもチェックするでもなく、相手の顔や反応を見ることもせず、英訳をすっかりBGMにして、日本人だけで日本語でこそこそ話を始めてしまうお客様。自分の話が終わったら訳している間は自分は関係ないと思っているようですが、それは大きな間違いです。自分の発言がしっかり相手に伝わっているかどうか、相手の反応を見ることはとても大切なことですし、自分が話しているところから通訳終了までが自分の発言なのです。自分の発言中は、相手の顔や目を見ることが礼儀です。

 

 また通訳中に聞こえる距離で話をされることは、通訳者にとって真夜中に家の前で道路工事をされるほどの騒音です。集中の大きな妨げになりますし、思考を邪魔されると最悪の場合内容が飛び通訳ができなくなります。この内輪話があまりに耳障りで、通訳を止めて制止したことが何度かあります。

 

 相手のある会合やミーティングの場で、通訳中という手持無沙汰な時間を使い内輪で打合せをしたい気持ちは分かりますが、通訳中の時間は本来そういうものではありません。自分のメッセージを相手に伝えるための大切な時間です。

 

 少し愚痴っぽくなってしまいましたが、もしも通訳者を使う立場の方がこれを読んでくださり、もしも思い当る節があるようなら、今後気を付けていただくきっかけになれば幸いです。

 

 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:東京

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り

楽しみ:正月の箱根駅伝、2か月に1度の大相撲観戦(テレビ)、年に数回の柔道国際・国内大会テレビ観戦、年に数回のブロードウェイミュージカル日本公演、不定期の札幌旅行