通訳のスキル16 活用例 - 1秒のファインプレー

 こんにちは、東京在住英語同時通訳者の山下恵理香です。Skypeでオンライン英語指導オンライン通訳訓練講座も提供しています。 

 

 先日の仕事でコビトさん達の華麗な連携プレーがあったので、ここでご紹介したいと思います。

  

 現場は都内のとある会社。日本人スタッフの説明を、海外からのゲストに訳していた時のこと。元のメッセージは、「お客様が国内のエージェントを通して予約をした際に、エージェントでクーポンを発券します」でした。

 

 Customers make reservations through agents in Japan and...

 

 出だしは好調でしたがここで一瞬詰まりました。(前後の文脈上When(...の際に)は使わずに訳しました。)

 

 「えーと...“発券”て何て言えば良いんだっけ?」

  

 単語担当のコビトさんが「発券」という言葉に捕まったその時でした。表現担当のコビトさんがすかさずフォロー。

 

 「発券という言葉は使わずに、“お客さんがエージェントでクーポンを購入する”にすればいいんじゃない?」と。

 

 彼女のフォローを受け単語担当は探す単語を「発券」から「購入」に変更し、すぐに使う単語を決定。後ろで「発券」のスペースを空けて待ち構えていた組み立て担当も、文章構成を素早く修正。

 

 ...and the customers purchase coupons at the agents.

 

 ほんの一瞬詰まりはしましたが、問題なく訳すことができました。ここまで約10行の連携プレーの所要時間、約1秒。さすがうちのコビトさん、ナイスファインプレーでした。

 

 もちろんこの後で時間ができた時に、頭の中で「発券」を使うバージョンの訳も練り直します。単語と表現をチェックして次につなげるのも大切な作業です。ちなみに「発券」を使いオリジナルの通りに訳した場合、

 

 ...and the agents issue coupons.

 

 となるのですが、前後の話の流れを加味して考えた結果、「発券」を使わないバージョンの方を使って良かったと思いました。話の主体がお客様だったので。もちろんオリジナル通りに訳す必要のある場合は、そっちを優先します。念のため(笑)

 

 真面目で神経質な単語担当と大らかな表現担当。この2人のこの手の連携プレーには、何度も助けられています。

 

 次回からはまたコビトさんの紹介に戻ります。直接通訳作業に関わらない外野のコビトさんたちもユニークで楽しい子ばかりです。

 

 お楽しみに!

 

 

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About Erika:

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:東京

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

楽しみ:正月の箱根駅伝、2か月に1度の大相撲観戦(テレビ)、年に数回の柔道国際・国内大会テレビ観戦、年に数回のブロードウェイミュージカル日本公演、不定期の札幌旅行